活動紹介

2019年02月12日

『電機連合@見える化通信』Vol.95

~幼児教育の無償化 その前に待機児童解消を!~

『電機連合@見える化通信』Vol.95

~幼児教育の無償化 その前に待機児童解消を!~

電機連合の活動の中に「産業政策・社会政策」
の取り組みがあることを知っていますか?
産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展
させるため、社会政策は暮らしや生活をより
良くするための取り組みです。

私たちの周りには様々な問題があり、その中
には、個別企業労使の話し合いだけでは対応
しきれないものも多数存在します。

電機連合は働く者の立場から、自らに関係す
る課題について政策・提言をまとめ、政府や
省庁などと意見交換を行い、政策実現を目指
しています。

『電機連合@見える化通信』では、何となく
小難しくて見えづらい政策課題について、そ
の中身を少しずつご紹介していきます。

~幼児教育の無償化 その前に待機児童解消を!~

2017年の衆議院議員選挙の目玉公約として安
倍首相が掲げた「幼児教育の無償化」につい
て、その具現化に向けた検討が進められてい
ます。

無償化は子育て世代にとって家計の負担軽減
となり歓迎すべきことではあるものの、待機
児童の問題や保育の質の確保など課題がある
なかで、政策の優先順位の点で疑問が残ります。 

【消費税率引上げを前提に10月から実施予定】
今年10月からの消費税率引上げと併せて、幼
児教育の無償化が実施される予定です。

これは政府がめざす「人づくり革命」施策の
一つで、その財源は約5・7兆円の消費税増
収分の一部を使途変更して賄うとし、幼児教
育の無償化には約0・8兆円が充てられる見
通しです。

【3~5歳は所得制限なく無償】
政府案では3~5歳までの子どもたちの幼稚
園、認可保育所、認定こども園などの利用料
が無償化され、所得制限はありません。
ただし、専業主婦(夫)家庭で幼稚園等を利用
している場合は月額2・57万円が上限とな
り、超えた部分は自己負担となります。

また事業所内保育所や企業主導型保育施設、
ベビーシッターなどの認可外保育施設を利用
している子どもたちについても、保育の必要
があると自治体に認定された場合は、月額3
・7万円を上限として補助がでます。

【国の基準を満たさない認可外の施設も対象に】
こうした政府案に対し、懸念するのが認可外
の施設についてです。当初政府は、認可施設
のみを無償とする予定でしたが、待機児童が
多い地域では「認可」に入れず、やむなく
「認可外」を利用する子どもも多いことから、
認可外の施設まで対象を広げる方針を決めました。

認可外の施設が補助の対象となるには、都道
府県等に届出を行い、国が定める指導監督基
準を満たすことが必要ですが、政府はこれを、
基準を満たしていない場合でも5年間の経過
措置として無償化の対象を拡充する方針です。

質が担保されていない施設まで対象とするこ
とに、劣悪な施設を国が許容することになら
ないか、子どもの安全が確保されるのか等、
自治体からも懸念する声が出ています。

【まずは待機児童の解消を】
日本は子ども・子育て支援に対する公的支出
が先進国の中で際立って低い国であり、子育
て世帯の負担軽減の観点から、今回の施策に
異論はありません。

ただ認可保育園に入れない待機児童は依然と
して2万人近くいます。無償化によって潜在
需要を掘り起こせば待機児童がさらに増える
のではないかとの懸念もあり、政策の優先順
位として適切なのか疑問が残ります。

子どもを安心して預けられる環境があってこ
そ、私たちは安心して働き続けることができ
るのであり、子どもの安全確保が最優先です。

まずは保育の質を確保しつつ、その受け皿を
増やし待機児童を速やかに解消する。その上
で幼児教育の無償化を実現する必要があると
考えます。

今後、通常国会に子ども・子育て支援法の改
正案が提出される見通しです。私たちの暮ら
しに関わる法案の、国会内での論議にぜひ注
目して下さい。

【電機連合57万人の声を国会へ反映!】
 石上としお参議院議員(東芝グループ連合)
 https://youtu.be/2wtLua1rL48
 必見!政策総集編(動画)
 https://www.youtube.com/watch?v=r0YesqQWxB0

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