活動紹介

2021年10月09日

第5回東北震災復興支援活動を実施しました。

東日本大震災から、10年が経過しました。震災の記憶を風化させず、その教訓を今後に活かしていくために私たちができることとして、加盟組織と共に「東北震災復興支援活動」に取り組んでいます。
今年度は10月9~10日の日程で、8組織13名とスタッフ6名で宮城県の南三陸町・石巻市、福島県沿岸部に訪問しました。震災遺構の見学や、語り部の方からのお話から、当時の状況や自然災害の脅威、防災の重要性について学びを深めました。また、ボランティア活動を通じて、復興支援も実施しました。
①南三陸町旧防災対策庁舎(宮城県本吉郡南三陸町)
予想をはるかに超える15.5mの津波が庁舎を襲いました。危機管理課の遠藤未希さんは最後まで無線で避難を呼びかけ、命を落とされました。津波の凄まじさを物語たる庁舎は保存、解体に両方の声が住民からあり、2031年までは県有化されることとなりました。
②大川小学校跡地(宮城県石巻市)
地震発生後、児童は先生の指示で校庭で待機しましたが、その後津波に襲われ、児童78名中74名、教職員11名中10名が死亡する悲劇に見舞われました。実際に娘を亡くされた語り部鈴木さんからは「すぐそばの裏山に逃げれば助かっていた」とお話を伺いました。ハザードマップは正しいかなど、日頃から真剣に防災意識を持つことの大切さを学びました。
③雄勝ローズファクトリーガーデン(宮城県石巻市)
 津波で壊滅的な被害を受けた石巻市雄勝町を「花と緑の力」で復興するために、住民で立ち上げた被災地緑化プロジェクト。ボランティア活動としてオリーブの木の植樹のための土の掘削、運搬のお手伝いをしました。
④福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)(福島県双葉郡浪江町)
 再生可能エネルギー(太陽光発電)を利用した世界最大級の水素製造システムであるFH2Rは、来たる水素社会に向けた取り組みであると同時に被災地の復興、成長産業や雇用の創出を目指す取り組みで、今後の展望についてお聞きしました。また、同工業団地のロボットテストフィールド・無人航空機滑走路や高度集成材製造施設も紹介いただきました。
⑤車中講話~東電廃炉資料館(福島県大熊郡大熊町、双葉郡富岡町)
 元東京電力の社員で双葉町で被災された一般社団法人AFW吉川さんから、原発の事故によって生活が一変してしまった現地の方々の思いや、実際に避難区域が多く残る大熊町に降り立ち、現在の被災地の状況についてお話いただきました。その後、東京電力が運営する東電廃炉資料館を訪れ、事故への反省の言葉、事故発生時の経過や廃炉に向けた取り組みの状況などを詳しく映像や展示で説明いただき、原発事故と廃炉作業への理解を深めました。
⑥オーガニックコットン収穫ボランティア(福島県いわき市)
 福島県の沿岸部では津波による塩害のため農作地で作物が育たないという厳しい状況に陥りました。 そこで塩害に強い、「綿」を有機栽培で育て製品化し販売する一連のサイクルを作り、 農業の再生、地域に活気と仕事を生み出すことを目的としたオーガニックコットンプロジェクトが2012年に発足しました。 大阪地協では過去4度の訪問に引き続き、運営に携わってこられたNPO法人 ザ・ピープル様を通じて、 収穫作業のお手伝いを行いました。

参加者からは「現地での教訓や学んだことを周囲の人にも伝えたい」「多くの人に現地に足を運び実際に見ていただきたい」など、たくさんの意見をいただきました。宮城県の沿岸部で起きた甚大な災害からは、日頃からの備えと防災意識の大切さを、福島県で訪れた施設や被災地からは、本当に復興がまだまだ道半ばであり長い年月をかけて少しずつ進められているという現実、元には戻らない生活の中で前を向いて取り組まれている現地の方々など、多くのことを学びました。また限られた時間でしたがボランティア活動として現地で継続して復興支援活動をされている方々とともに活動しました。
また頂いた意見を参考に今後の活動を検討していきますので、引き続きのご理解、ご支援をよろしくお願いいたします。

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