2025年10月15日
第9回東日本大震災から学び未来につなぐ活動を実施しました。
想像を超える自然災害からの教訓に学び、そして風化させないこと、また原発事故により未だ震災前の状況からはほど遠い現実がある被災地における未来に向けた取り組みを学び、共に考えることをテーマとした「東日本大震災から学び未来へつなぐ活動」を開催しました。
10組織15名の参加者とスタッフ6名で、宮城県と福島県の沿岸部に訪問し、震災遺構や伝承施設の視察や語り部のお話から自然災害の脅威や防災の重要性を学び、原子力災害により未だ復興の途上にある被災地の現状や未来に向けてどのような取り組みが行われているのか理解を深めました。
①旧荒浜小学校(宮城県仙台市)
2階まで浸水する津波に襲われましたが、校長先生の判断によって屋上に避難していたため、荒浜小学校に避難してきた320人は全員が助かりました。早く的確な判断がされたことにより多くの命を救われた事例として学ぶことができました。
②南三陸311メモリアル、南三陸旧防災庁舎(宮城県南三陸町) ~自然の脅威を前にどう行動するか?
15mを超える津波で多くの職員が亡くなられた旧防災庁舎前で黙祷を捧げました。南三陸311メモリアルではラーニングプログラム「そのとき命が守れるか」を体験し、想像を超える災害に直面したときにどう考え行動するか、とっさの判断の助け合いで守られた命があること、また複数の避難先を想定しておくことが大切であることについて学びました。
③大川小学校跡地(宮城県石巻市) ~なぜ子供たちは避難できなかったのか
児童78名中74名、教職員11名中10名と多くの方が犠牲となった大川小学校に訪れ、大川伝承の会の語り部の紫桃隆洋さんから、地震発生当日に子供たちの身に何があったのか、詳細にお話しいただきました。遺族の無念さを感じるとともに、事前の避難計画の重要性を実感しました。
④ 双葉町役場 (福島県双葉郡双葉町) ~原発事故から14年の現在地
「2,3日で戻ってくるだろうと思って町を出てから、まさか10年以上の戻って来られないとは想像もしていなった」。原発事故を受けて、全町域が立ち入りが全面禁止となった双葉町の当時の様子をお話いただきました。震災前に約7000人であった人口は現在居住者195人。町民の帰還や移住の促進に向けた取り組みとこれからの街づくり、加えて、除染で発生した土壌や廃棄物を最終処分までの間保管する「中間貯蔵施設」の建設受け入れについて、居住されていた方の思いにも触れながらお話いただきました。国全体で取り組むべき課題について関心を持ち続けなければならないと感じました。
⑤原子力災害伝承館(福島県双葉郡双葉町) ~原子力災害がどのように起こり、何をもたらしたか
地震発生から福島第一原発の事故の経過を時間軸で映像にした展示や、避難を余儀なくされた県民の想いを発信するなど様々な展示があり、改めて原子力災害が現地住民にもたらした被害の甚大さ、今後も長期にわたり廃炉にむけて取り組まなければならない現実とその影響の大きさについて学びました。
⑥楢葉遠隔技術開発センター(福島県双葉郡楢葉町) ~廃炉に向けた技術開発と試験を繰り返す
放射線量の高い原子炉内に人間に代わって犬型のドローンが入って線量測定を行っていることや、VR技術で内部構造の再現をすることで様々なシミュレーションへの活用、燃料デブリの採取に向けた工法の開発や実験の状況について説明いただき、燃料デブリを取り出すという非常に難易度の高い問題に対して、どのようなアプローチで取り組まれているか、廃炉に向けた取り組みについて理解を深めました。
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想定を超える甚大な災害からの学びと、原発事故により避難生活を余儀なくされた福島県浜通り地区の現在の状況および復興に向けた今後の取り組みについて理解を深めました。
「自組織に持ち帰って伝えたい」「今後も継続して開催してほしい」など、参加者の皆さんから意見をいただきました。今回の活動から学んだことを未来へつなげていただくことを望みます。
東日本大震災を風化させず、共に学び、未来に向けて共に考えていくべく、今後も活動を検討していきますので、引き続きのご参加をよろしくお願いいたします。