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活動紹介

2014年02月02日

電機連合@見える化通信Vol.35【イノベーションで明るい未来を!】

電機連合@見える化通信Vol.35
【イノベーションで明るい未来を!】

電機連合の活動の中に「産業政策」の取り組みがあることを
知っていますか?

産業政策とは、電機産業や日本をより豊かに発展させるため
の取り組みです。私たちが働く電機産業に活気があり、企業
の業績がよくなければ、雇用の維持・拡大や賃金などの労働
条件の改善は厳しくなります。
そこで、働く者の立場から電機産業が直面しているさまざま
な課題を見つけ出し、その解決方法(法改正や制度策定など)
を考えて「産業政策(政策制度課題と私たちの見解)」とし
て取りまとめ、毎年、政党や省庁などと意見交換を行って、
政策実現を目指しています。
『電機連合@見える化通信』では、何となく小難しくて見え
づらい、でも私たちの暮らしをより良くするために大切な産
業政策の見える化に向けて、その中身を少しずつご紹介して
いきます。

昨年の日本経済は、円高の是正や株高等で回復の兆しが見え
てきました。電機産業においては厳しい状況が続いていますが、
昨年末頃から国内設備投資が活発化する傾向が出ており、
今年は良い影響が期待できます。
しかし、産業の本当の活性化の為には、こうした状況の変化
だけでは不十分です。研究開発による新製品や新サービスの
登場を促がすイノベーションを継続的に起こしていく仕組み
づくりを考えていかなければなりません。

【イノベーションを生み出す研究開発】
イノベーションとは、自前による画期的な研究開発によって
新製品やサービスを生み出したり、自社・他社が既に導入し
ているものを改良して新しい価値を生み出すことで、社会生
活に劇的な変化をもたらすことを言います。
例えば、ソニーが開発した「ウォークマン」やアップルが生
み出した「iPod」という携帯音楽プレイヤーやインターネッ
トを経由した音楽配信は、音楽の楽しみ方を劇的に変えました。
産業が発展するためには、このようなイノベーションを絶え
ず生み出すことが必要です。そのためには、「研究開発」が
重要となります。

【研究開発体制を是正し、研究成果を産業に繋げる】
研究開発の成果は実用化されて初めて社会に役立つものとな
ります。研究開発の主体は、国(国家プロジェクトや研究開
発法人)・大学・企業がありますが、最終的な成果の出口は
企業です。したがって、国や大学の研究成果をいかに産業に
繋げるかが重要になってきます。しかし、このうち国が主導、
あるいは国と大学や企業が連携している研究開発は省庁縦割
りで行われることが多く、産業に結び付ける機能が弱かった
り、適切な予算配分がおこなわれていないことが課題となっ
ています。
政府は2013年6月に『科学技術イノベーション総合戦略』を
策定し、「世界で最もイノベーションに適した国」を創り上
げるための道筋を示しました。目玉となるのが司令塔である
総合科学技術会議(内閣府)の抜本的強化です。国の研究開
発における司令塔に予算配分の権限を与えて、戦略的な予算
を策定し、さらには産官学連携でイノベーション創出の課題
を特定し、研究開発を進めるための省庁横断型の新たなプロ
グラムを創設するとしています。これは、電機連合が2011年
から政党省庁に要請してきた「省庁縦割りの研究開発体制の
是正」の内容と合致したものであり、確実に実現するように
推進していきます。

【産官学の国家戦略的な役割分担を進める】
研究開発には、実用化を早期に目指す「短期的な研究」と、
基礎研究を中心とする「中長期的な研究」に分けることがで
きます。『ものづくり白書2013』によると、電気機械企業の
半数以上が10年前と比べて短期的な研究開発費を増加してお
り、目先の競走に偏っている状況となっています。基礎研究
段階の研究開発は時間や費用をかけても必ず成果に結びつく
ものではないため、企業にとってリスクが高くなる傾向があ
ります。しかし、基礎研究をおろそかにすると、企業が新し
い技術・製品を持続的に生み出すことは難しくなります。
このアンバランスな状況を是正し、イノベーションが生まれ
やすい環境を整えるために、研究開発の段階に応じた産官学
の国家戦略的な役割分担を進めます。
イノベーション総合戦略では、産官学連携を意識して3者の
役割分担を明確化しました。大学や研究開発法人がイノベー
ションの芽を育て、企業が実用化で実を結ぶとしています。
この仕組みを実現することで、研究開発の効率化と知の結集
によりイノベーションを継続的に生み出し、電機産業や日本
に明るい未来を築きます。

【スパコン活用によるイノベーション創出で明るい未来を】
これからのイノベーションで期待されるのが、2011年に登場
したスーパーコンピュータ(大規模科学技術計算を行うため
の超高速処理が可能なコンピュータ、略してスパコン)「京
(けい)」の活用です。京は、研究開発法人理化学研究所と
富士通が共同開発したもので、2011年に世界のスパコン性能
ランキング「TOP500」で1位を受賞しており、世界最高水準の
性能を持っています。最近では、新しい電池材料の開発、次
世代半導体の性能向上に京が使われており、ものづくりに活
かす動きが広がってきています。

●● 電機連合の産業政策 ●●
*省庁縦割の研究開発体制を是正し、司令塔に予算権限を付与
*研究開発段階に応じた産官学の国家戦略的な役割分担を進める

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