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活動紹介

2015年04月06日

『電機連合@見える化通信』Vol.49「2015年度政府予算案からみる社会保障

『電機連合@見える化通信』Vol.49「2015年度政府予算案からみる社会保障」

電機連合の活動の中に「産業政策」の取り組みがあることを知っていますか?
産業政策とは、電機産業や日本をより豊かに発展させるための取り組みです。
私たちが働く電機産業に活気があり、企業の業績がよくなければ、雇用の維
持・拡大や賃金などの労働条件の改善は厳しくなります。

そこで、働く者の立場から電機産業が直面しているさまざまな課題を見つけ
出し、その解決方法(法改正や制度策定など)を考えて「産業政策(政策制
度課題と私たちの見解)」として取りまとめ、毎年、政党や省庁などと意見
交換を行って、政策実現を目指しています。

『電機連合@見える化通信』では、何となく小難しくて見えづらい、でも私
たちの暮らしをより良くするために大切な産業政策の見える化に向けて、そ
の中身を少しずつご紹介していきます。

【2015年度政府予算案からみる社会保障】
2015年度政府予算案が現在会期中の第189国会に提出されています(4/1現在)。
私たちが納めた税金がどう使われ、暮らしはどう変わるのでしょうか。
社会保障の視点からみていきます。

【予算総額の3割強を占める社会保障関係費】
2015年度の予算総額は過去最大の96.3兆円。
そのなかで社会保障関係費の予算は31.5兆円(前年度比約1兆円増)で
全体の3割強、一般会計歳出から国債費等を除いた基礎的財政収支
(プライマリー・バランス)対象経費ではほぼ半分を占めています。
2005年度社会保障関係費予算は20.4兆円でした。わずか10年間で1.5倍に
も増えており、高齢化の進行による「自然増」をどう抑制するかが予算
編成の焦点でもあります。
 ※【財務省】2015年度一般会計歳出の構成
 https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2015/seifuan27/01.pdf

【子育て支援】
重点施策に位置付けられた子育て支援については、「子ども・子育て支
援新制度の実施と待機児童解消に向けた取り組み」として、消費税増収
分(国2,195億円)を含む約7,175億円が充てられました。
これにより保育施設の受け皿拡充、保育所等の3歳児に対する職員配置
の改善(20:1→15:1)、保育士等の処遇改善などが行われます。
放課後児童クラブには前年度から191億円増の575億円が予算化され、利用
対象の拡大(3年生→6年生)などに伴うインフラ整備等に活用されます。
また消費増税の影響を踏まえ、高所得世帯を除いて対象児童1人につき
3千円(予算587億円)が支給されます。

【年金】
公的年金の支給額の伸びを賃金や物価の伸びより抑える「マクロ経
済スライド」が4月から初めて実施されます。
その為、年金支給額は実質0.9%の伸びに抑えられています。政府は
この財政影響を▲831億円と見込んでいますが、受給者数は100万人増
えており、予算額は3,394億円増の11兆469億円となります。
また当初予定されていた低所得年金受給者への給付金(基本月5,000円)
と年金受給資格期間の短縮(25年→10年)は、消費増税先送り
の影響により実施時期が延期となっています。

【医療・介護】
医療では、財政難に苦しむ国民健康保険への財政支援の拡充に1,032億円
が確保されました。
また難病対策には前年度比512億円増の1,231億円が充てられ、医療費助成
の対象疾病が拡大されます。
介護では、当初案より縮減したものの、低所得の第1号被保険者(65歳以上)
の介護保険料負担軽減措置が強化され、その財源として221億円(国110・地方
110)が確保されました。
一方で、今年8月から実施される一定以上所得者の介護保険の利用者負担割
合の引上げ(1割→2割)に伴い、▲244億円(国123・地方121)の財政
圧縮となっています。

【どう使われているか注視することが重要】
少子高齢化の成熟社会の下、限られた財源を誰に、どうやって分配するのか、
私たち国民が主体的に考えることが、今後ますます重要になってきます。
だからこそ「税金を取られた」と嘆くのではなく、「どう使われるのか」と
いうことにもっと目を向けることが大切です。

例えば、4月から始まった「子ども・子育て支援新システム」には当事者が
意見を反映できる場である「子ども・子育て会議」が設置され、多くの地域
で労働組合も参画しています。
こうした場を活用することにより、より実効性ある税金の使われ方が可能と
なります。
そして、その取り組みの積み重ねの先に、国や地域の未来図がおのずと見え
てくるのではないでしょうか。

電機連合では今後も働く者・生活者・納税者の立場から、政策・制度要求
実現の取り組みを進めていきます。

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