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活動紹介

2016年06月02日

『電機連合@見える化通信』Vol.64 「どうなる?『第4次産業革命』による私たちの働き方」

『電機連合@見える化通信』Vol.64
「どうなる?『第4次産業革命』
  による私たちの働き方」

電機連合の活動の中に
「産業政策・社会政策」の取り組みが
あることを知っていますか?

産業政策は電機産業や日本をより豊かに
発展させるため、社会政策は暮らしや生
活をより良くするための取り組みです。

私たちの周りには様々な問題があり、
その中には、個別企業労使の話し合い
だけでは対応しきれないものも多数存
在します。

電機連合は働く者の立場から、自らに
関係する課題について政策・提言をま
とめ、政府や省庁などと意見交換を行
い、政策実現を目指しています。

『電機連合@見える化通信』では、
何となく小難しくて見えづらい政策
課題について、その中身を少しずつ
ご紹介していきます。

近年、「第4次産業革命」と呼ばれる
IoT(Internet of Things)、ビッ
グデータ、人工知能などの急速な発展
が超少子高齢化やエネルギー問題とい
った社会課題の解決につながるとの期
待がある一方、既存の仕事の減少や、
必要となるスキルの変化により技術や
技能の転換が加速されるなど、私たち
の働き方に大きな影響を及ぼすとの指
摘もあります。

私たちの働き方はどうなっていくので
しょうか。

○「労働4.0」(ドイツ)!

「第4次産業革命」で先行するドイツ
では、2015年4月に連邦労働・社会省
(BMAS)がデジタル化や技術の進展に
伴う労働課題を話し合うためのグリー
ンペーパー(討議資料)「労働4.0」
を発表しました。
そこでは主に次のような労働上の課題
をあげています。
・デジタル化や技術の進展は、異なる
 産業、生産工程、雇用レベルにどの
 ような影響をもたらすのか。また、
 その結果、企業や労働者にどのよう
 な影響をもたらすのか。
・デジタル化や技術の進展は、「労働」
 に対する概念をどのように変え、現
 在の標準的な労使関係や労働契約の
 在り方をどのように変えていくのか。
 例えば、勤務場所、労働時間概念、
 ストレスレベル、労働安全衛生上の
 課題、共同決定権、労使交渉の実施
 にどのような影響を与えるのか。
・どのような技能・資格が必要になり、
 企業ニーズとのマッチングはどのよ
 うに行われるのか。
・フレキシブルな仕事や働き方は、ど
 のようになるのか。クラウドワーキ
 ングが典型的な働き方になるのか。
 その場合、社会保障制度や労働法は
 どのように、新世代の労働者や業務
 に対応させるのか。

BMASは、2つの討議グループ(1つは
学識者や労使団体などが参画する専門
家グループ、もう1つはコメントやア
イデアを公に募る一般市民グループ)
を設け、今後、これらの課題を検討し
ていくとしています。

*以上、
「ドイツ 未来の労働を議論する
『労働4.0』を発表」『Business
 Labor Trend』(2016.1)より。

○「新産業構造ビジョン」(日本)!

日本では、経済産業省が中心となって
「第4次産業革命」へ的確に対応する
ための羅針盤となる「新産業構造ビジ
ョン」の策定に向けた議論を進めてお
り、今年の4月に中間整理が取りまと
められました。中間整理では就業構造
の変化について、主に次のようなポイ
ントが示されています。
・AIやロボット等の出現により、定
 型労働に加えて非定型労働において
 も省人化が進展。本格的な人口減少
 に直面する我が国においては、一般
 的には、人手不足の解消につながる
 ことも期待される。
また、ビジネスプロセスそのものの
 大きな変革により、AIやロボット
 等を手段として使いこなし共に働く
 仕事や、これまで以上に人が直に接
 することによる価値を活かした仕事
 等、新たな雇用ニーズが生まれる可
 能性も。
・一方、雇用のボリュームゾーンであ
 る中間層においては、求められるス
 キルの内容が変化する可能性。例え
 ば、従来型のバックオフィス業務等
 は、大きく減少していく可能性が高い。

また、職業を9つに分けて「現状放置」
と「変革」の2つのシナリオを示し、
何もしなければ2030年度には雇用が735
万人減ると試算しています。そして、
新たな教育システムの構築やグローバル
な人材の獲得、労働市場・雇用制度の柔
軟性向上などの必要性を説いています。

●● 電機連合のスタンス ●●

電機連合の歴史を遡れば、「第3次産
業革命」に当たるとされるME革命
(マイクロエレクトロニクス革命。
産業用ロボットやOA機器等の導入)
が注目された1980年代前半に「第3次
産業政策」を策定しました。そこでは、
ME革命を「80年代の技術革新の中心
的なものとして位置づけ、且つまたそ
の成果が、生産性向上の成果配分、労
働時間短縮、作業工程や環境の改善、
安全面の確保など総合的な労働条件の
向上と『労働の人間化』に役立てる観
点を堅持し、対応する」との基本的態
度を示し、具体的な指針も示してきま
した。
電機連合は、「第4次産業革命」に対
しても、我々の働き方に及ぼす影響と
課題、その対応策を検討し、積極的な
意見発信を行っていきます。

【電機産業で働く私たちの代表 矢田わか子】
 http://yatawaka.com/
【千葉県で暮らす私たちの代表 小西 洋之】
 http://konishi-hiroyuki.jp/

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