活動紹介

2017年11月10日

『電機連合@見える化通信』Vol.81

「積み上がる内部留保、伸び悩む投資 更なる付加価値の創出に向けた投資を!」

『電機連合@見える化通信』Vol.81
「積み上がる内部留保、伸び悩む投資
 更なる付加価値の創出に向けた投資を!」

電機連合の活動の中に「産業政策・社会政策」
の取り組みがあることを知っていますか?

産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展さ
せるため、社会政策は暮らしや生活をより良く
するための取り組みです。

私たちの周りには様々な問題があり、その中に
は、個別企業労使の話し合いだけでは対応しき
れないものも多数存在します。

電機連合は働く者の立場から、自らに関係する
課題について政策・提言をまとめ、政府や省庁
などと意見交換を行い、政策実現を目指してい
ます。

『電機連合@見える化通信』では、何となく小
難しくて見えづらい政策課題について、その中
身を少しずつご紹介していきます。

「積み上がる内部留保、伸び悩む投資
 更なる付加価値の創出に向けた投資を!」
 
先の衆院選では、希望の党が公約に掲げた内部
留保課税が話題になりました。背景には、内部
留保が積み上がっているにもかかわらず、設備
投資や研究開発、賃上げなどの投資に企業が慎
重姿勢をとっていることがあります。

ただ内部留保課税には問題点もあります。
ここでは、内部留保の考え方を整理するととも
に、電機産業の状況をみてみたいと思います。

〇投資促進をねらった内部留保課税とその問題点!

内部留保とは会計上の概念で、企業が積み上げ
た利益の累積額のことをいいます。
貸借対照表(バランスシート、BS)では、一
般に右側下の純資産の部にある「利益剰余金」
に該当します。

法人企業統計(財務省)によると、2016年
度の内部留保は約406兆円と、この10年で
140兆円余り増え、過去最高を更新しました。

そのため政府などは、積み上げた内部留保を設
備投資や研究開発、賃上げなどに回すよう求め
ていますが、企業は慎重姿勢をとっています。

そこで持ち上がったのが、内部留保に対する課
税案です。ただ内部留保課税には問題点がいく
つか指摘されています。というのも内部留保と
いうと、その全てが現金や預金などのような形
でもっているとイメージされがちですが、両者
は必ずしも一致するわけではありません。

BSの右側にある内部留保は調達方法を示して
いるにすぎず、それがどのように使われている
かは容易に分かりません。現預金としてもつ他
工場や生産設備の購入に充てられています。

ですから、内部留保へ課税してしまうと多くを
生産設備の購入に使ってしまった企業は資産売
却を迫られる可能性があります。また、法人税
を支払った上にまた課税されるのは二重課税と
の批判もあります。

〇電機各社の内部留保は回復基調ながら、投資
 は伸び悩む!

電機連合加盟の主要企業(中闘組合企業13社)
の内部留保はリーマン・ショックで大きく減少
し、直近ではリーマン前水準には至らないもの
の5兆円台まで回復しています。

現預金も2兆円台まで減少したものの、直近で
5兆円近くまで回復し過去最高を更新していま
す。

一方、設備投資や研究開発費などの投資はリー
マン・ショックで減少後はなかなか回復してい
ません。

〇更なる付加価値の創出に向けた投資を!

電機連合は2016年闘争より、「付加価値の
適正循環」の取り組みをスタートしています。

産業全体が発展するには、各企業で生み出され
る付加価値を適正に循環させなければなりませ
ん。

付加価値の「創出」「適正配分」を進めること
で適切な付加価値を確保し、更なる付加価値の
創出に向けた「投資」につなげる取り組みを進
める必要があります。

【電機産業で働く私たちの代表】

〇電機連合 顧問 参議院議員 石上 としお
 http://ishigamitoshio.com/

〇電機連合 顧問 参議院議員 矢田 わか子
 http://yatawaka.com/

〇電機連合 顧問 衆議院議員 浅野 さとし
 https://www.asanosatoshi.com/#page1

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