活動紹介

2018年07月03日

『電機連合@見える化通信』Vol.88

【誰もが学びたい時に学び直せる環境づくり】 ~ リカレント教育普及に時間と費用の壁 ~

『電機連合@見える化通信』Vol.88

【誰もが学びたい時に学び直せる環境づくり】
~ リカレント教育普及に時間と費用の壁 ~

電機連合の活動の中に「産業政策・社会政策」の
取り組みがあることを知っていますか?
産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展させ
るため、社会政策は暮らしや生活をより良くする
ための取り組みです。

私たちの周りには様々な問題があり、その中には、
個別企業労使の話し合いだけでは対応しきれないも
のも多数存在します。

電機連合は働く者の立場から、自らに関係する課題
について政策・提言をまとめ、政府や省庁などと意
見交換を行い、政策実現を目指しています。

『電機連合@見える化通信』では、何となく小難し
くて見えづらい政策課題について、その中身を少し
ずつご紹介していきます。

【誰もが学びたい時に学び直せる環境づくり】
~ リカレント教育普及に時間と費用の壁 ~

近年、日本でもリカレント教育の必要性が高まりつ
つあります。政府は、助成金等でリカレント教育を
支援していますが、西欧諸国では長期休暇や訓練休
暇中の所得が保障されています。

日本でも誰もが学びたい時に学べるようにするため
に更なる改善が必要となっています。

【リカレント教育とは?】
 リカレント教育とは一般に、義務教育や基礎教育
 の後に社会人が必要に応じて学校や教育訓練機関に
 戻って再教育を受けることをいいます。
 
 この言葉は、1969年にスウェーデンのパルメ
 文部大臣がスピーチの中で使ったのが最初です。
 OECD(経済協力開発機構)でも注目されて各
 国に浸透していきました。なお、国際労働機関
 (ILO)では1974年に労働者が所得保障を
 受けながら教育を受ける権利を保障する「有給教
 育休暇に関する条約」(第140号)を採択し、
 35ヶ国が批准していますが、日本は未批准です。
 
【リカレント教育普及の壁は「時間」と「費用」】
 日本でも近年リカレント教育の必要性が高まりつ
 つあります。昨年9月に政府は「人生100年時
 代構想会議」を設置し、人生100年時代を見据
 えた社会システムを創り上げるための検討に着手
 しましたが、その中では、「何歳になっても学び
 なおせるリカレント教育」もテーマにあげられて
 います。
 
 この会議には連合の神津会長も有識者として参加
 しており、リカレント教育には「費用」と「時間」
 の壁があり、国として学び直しの学費減免、長期
 の有給教育休暇の制度化など実効性のある対策が
 必要であると主張しています。

 厚生労働省の能力開発基本調査(図表1)でも正
 社員で自己啓発を行う上で問題があるとした者は
 8割弱(78・9%)に及び、その理由としては
 「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」(57・5%)
 や「費用がかかりすぎる」(28・0%)といった
 問題があげられています。
 
【誰もが学びたい時に学べる環境づくり!】
 今年6月にまとめられた「人づくり革命 基本構
 想」では、「費用」対策として、ITスキルなど
 のキャリアアップ効果の高い講座を対象に一般教
 育訓練給付率を倍増(2割→4割)にし、「時間」
 対策として、企業が長期の教育訓練休暇制度を導
 入し、社員が休暇を取得して学び直した際に、企
 業に対して人材開発支援助成金による支援を行う
 としています。
 
 しかし、誰もが学びたい時に学べる環境にするに
 は更なる改善が必要です。そのためにも、国と企
 業の双方に教育訓練休暇の制度化や長時間労働の
 是正、受講費用の援助を働きかけていくことが重
 要です。

【電機連合の政策】
 第4次産業革命に対応した人材育成について、産
 (労使)・官・学(高等教育機関、職業訓練機関)
 による議論を加速させ、新たに必要とされる資質
 や能力・スキルなどを速やかに示すとともに、雇用
 の安定につながる実践的な育成システムを構築する。

<参考>
 リカレント教育
 https://bizhint.jp/keyword/58648

【電機の仲間だから伝えられる!国会へ私たちの声を】

 石上 俊 雄 参議院議員(東芝グループ連合)
 http://ishigamitoshio.com/

 矢田 わか子 参議院議員(パナソニックグループ連合)
 http://yatawaka.com/

 浅野 さとし 衆議院議員(日立グループ連合)
 https://www.asanosatoshi.com/#page1

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