2018年10月10日
『電機連合＠見える化通信』Vol.90
【産業政策関連法案に積み残し！】 ～新技術の開発やビジネス創出を促す法整備を～
『電機連合＠見える化通信』Vol.90
【産業政策関連法案に積み残し！】
～新技術の開発やビジネス創出を促す法整備を～
電機連合の活動の中に「産業政策・社会
政策」の取り組みがあることを知ってい
ますか？
産業政策は電機産業や日本をより豊かに
発展させるため、社会政策は暮らしや生
活をより良くするための取り組みです。
私たちの周りには様々な問題があり、そ
の中には、個別企業労使の話し合いだけ
では対応しきれないものも多数存在します。
電機連合は働く者の立場から、自らに関
係する課題について政策・提言をまとめ、
政府や省庁などと意見交換を行い、政策
実現を目指しています。
『電機連合＠見える化通信』では、何と
なく小難しくて見えづらい政策課題につ
いて、その中身を少しずつご紹介してい
きます。
【産業政策関連法案に積み残し！】
～新技術の開発やビジネス創出を促す法整備を～
７月22日に第196通常国会が閉会しました。
今国会では、「森友学園」「加計学園」を
めぐる問題の疑惑解明に多くの時間が割か
れる中、働き方改革関連法やカジノを含む
統合型リゾート（ＩＲ）実施法など審議が
不十分なまま採決が強行される場面が多く
ありました。
そして、これらの法案が優先された結果、
産業政策に関連する法案の一部が審議にも
入れず積み残されました。
【産業政策関連法案の３本が積み残し】
今国会に政府から新規に提出された予算案、
法律案は65本で、そのうち成立したのは60
本です（成立した主な法律は図表１）。
ただ、未成立の５法案のうち、実に３本が
産業政策に関連する法案です。今国会で提
出された産業政策に関連する法案の多くが、
ＩｏＴやＡＩ、ロボティクス等の新技術の
開発、それらを活用した新たなビジネスの
創造を促す法整備でしたが、６法案のうち
３本が継続審議もしくは廃案となりました
（図表２）。
これらの審議委員会をみると、成立した法
案は全て経済産業委員会で、不成立の法案
は全て内閣委員会です。
国会の委員会は府省庁の構成に応じてテー
マを割り振りますが、内閣委員会では、Ｔ
ＰＰ協定関連整備法案や統合型リゾート
（ＩＲ）実施法案といった与野党が対立す
る重要法案を審議したことから、他の産業
政策に関連する法案は審議入りすらできま
せんでした。
衆議院の12ある常任委員会の今国会の合計
審議時間の４割が内閣委員会と厚生労働委
員会で占められており、これら２委員会へ
の集中が問題視されています。
【新技術の開発やビジネス創出を促す法整備を】
積み残された３法案のうち、「サイバーセ
キュリティ基本法」はサイバーセキュリテ
ィを国策として推進する基本方針を示すも
のとして２０１４年に成立したもので、今
改正案は新たに官民の協議会を創設して情
報交換を促そうとするものです。
また、「国家戦略特区法」は産業の国際競
争力強化などを目的に、国が定める国家戦
略特別区域に関する基本方針や認定の手続
き等について定めたもので、２０１３年に
成立しました。
今改正案は、特区内に「地域限定型サンド
ボックス制度」を設け、自動運転やドロー
ン等の新たな技術に関連する実証実験をよ
り迅速・円滑に実現できるようにするもの
です。
そして、「洋上風力発電の普及促進法案」
は洋上風力発電を普及・促進するための基
本ルールを定めるものです。
これらはいずれも、新技術の開発やビジネ
ス創出を促す法整備として期待されます。
次の国会では十分な審議を経た上での法案
成立が望まれます。
【国会へ電機産業の声を！】
石上としお参議院議員
（東芝グループ連合）
http://ishigamitoshio.com/
矢田わかこ参議院議員
（パナソニックグループ連合）
http://yatawaka.com/
浅野さとし衆議院議員
（日立グループ連合）
https://www.asanosatoshi.com/#page1
