活動紹介

2018年11月14日

『電機連合@見える化通信』

相次ぐ健保組合の解散! ~ 現役世代の負担に歯止めを ~

『電機連合@見える化通信』

相次ぐ健保組合の解散!
~ 現役世代の負担に歯止めを ~

電機連合の活動の中に「産業政策・社会
政策」の取り組みがあることを知ってい
ますか?
産業政策は電機産業や日本をより豊かに
発展させるため、社会政策は暮らしや生
活をより良くするための取り組みです。

私たちの周りには様々な問題があり、そ
の中には、個別企業労使の話し合いだけ
では対応しきれないものも多数存在します。

電機連合は働く者の立場から、自らに関
係する課題について政策・提言をまとめ、
政府や省庁などと意見交換を行い、政策
実現を目指しています。

『電機連合@見える化通信』では、何と
なく小難しくて見えづらい政策課題につ
いて、その中身を少しずつご紹介してい
きます。

相次ぐ健保組合の解散!
~ 現役世代の負担に歯止めを ~

主に大企業の従業員らが加入する健康保
険組合(以下、健保組合)の解散が相次
いでいます。

背景にあるのが高齢者医療への拠出金増
に伴う厳しい財政状況です。拠出金負担
は高齢化の進行で今後さらに増える一方
支え手である現役世代は急速に減ってい
く見通しで、その先行きに不安が高まっ
ています。

【かつてない厳しい健保財政11年連続の
 保険料率引き上げ】
 
今年9月、人材派遣の従業員やその家族
ら約50万人が加入する国内2位の「人材
派遣健康保険組合」が今年度末で解散す
ると報じられました。加入者は中小企業
の従業員らが加入する「協会けんぽ」に
移行することになります。

このように健保組合の解散が相次いでお
り、ピーク時の1992年に1827あ
った組合数は、企業再編なども相まって
1389組合にまで減っています。

主な要因は、健保組合を取り巻くかつて
ない厳しい財政状況です。超高齢化で高
齢者医療への拠出金が膨らみ健保財政を
圧迫しています。2017年4月から後
期高齢者支援金の全面総報酬割、そして
同年8月からは介護保険にも総報酬割が
段階的に導入され、算定の基準がそれま
での「加入者数」から「収入」に変わり
多くの健保組合で財政悪化に拍車がかか
りました。健保組合はこれまで積立金の
取り崩し、保養所などの資産売却、独自
給付の削減など様々な収支改善の努力を
行ってはきたものの、保険料率の引上げ
を余儀なくされているのです。

実際、保険料率は11年連続で上昇し、2
017年度の平均保険料率は過去最高の
9・167%。現在の後期高齢者医療制
度が創設される前の2007年度と20
17年度の保険料負担を比べると、この
10年間で1人当たり年間で労使あわせて
10万円超も増えています。

【保険料の半分が高齢者拠出金へ】
今や私たちが毎月給与から支払っている
保険料の半分近くは、75歳以上が入る後
期高齢者医療制度への支援金、65~74歳
の加入者が多い国民健康保険(国保) の
財政を支える前期高齢者納付金など、高
齢者医療を支えるために使われています。

そして高齢化のさらなる進行により、そ
の負担は今後も増える見通しです。一方
それを支える現役世代は急速に減ってい
きます。将来の展望が見通せないまま際
限なく増え続ける過重な負担に、解散を
選択せざるを得ない健保組合が後を絶た
ないのです。

【国民皆保険を堅持するために】
協会けんぽは運営費などの一部を国が補
助しています。このまま健保組合から協
会けんぽへの加入者の流入が続けば、そ
のぶん国庫負担は増え、国の財政が悪化
するという悪循環に陥ってしまいます。

さらに健保組合の強みである保険者機能
を活かした、疾病予防や健康増進、レセ
プトチェックなど労使一体となったきめ
細やかな取り組みが減れば、医療費増に
つながる可能性もでてきます。

相次ぐ健 保組合の解散は当該加入者の
問題のみな らず、すべての国民に影響
します。決して他人事ではありません。

将来にわたって安心して医療が受けられ
る国民皆保険を堅持するために、高齢者
医療を誰がどう負担するのか、将来を見
据えた改革論議が求められています

【国会へ電機産業の声を!】
 石上としお参議院議員
(東芝グループ連合)
 http://ishigamitoshio.com/
 矢田わかこ参議院議員
(パナソニックグループ連合)
 http://yatawaka.com/
 浅野さとし衆議院議員
(日立グループ連合)
 https://www.asanosatoshi.com/#page1

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